建築設備定期検査報告の対象 ( Aはその用途部分の床面積の合計 )
(1)劇場、映画館、演劇業 Aの床面積が300 u以上
(2)ホテル又は旅館 地階又は3階以上、かつAの床面積が300 u以上
(3)病院 同上
(4)百貨店、マーケット又はその他の物品販売業を営む店鋪 地階又は3階以上、かつAの床面積が1,000 u以上
(5)飲食店等   注1 3階以上、かつ3階以上の階のAの床面積が100 u以上
(6)学校、体育館等 ※地域により規程が異なる
注1 飲食店等:キャバレー・カフェー・ナイトクラブ・バー・ダンスホール・ 遊技場・公衆浴場・待合・料理店、及び飲食店の用途に供する建築物で、これらを複合して含む建築物にあっては、その用途が最大の ものを全体の用途とみなし、各用途の床面積の合計を対象床面積の合計とする。(テナントビル等)


建築設備定期検査の内容

 建築設備定期検査では、下記のような内容の調査が行なわれます。


換気設備

 ガス器具を使用する場合には空気中の酸素必要です。その酸素を供給し、室内の空気を新鮮に保つのが換気設備です。 例えば、換気扇の油汚れなどにより換気量が不足し、ガス器具が不完全燃焼を起こし、一酸化炭素が発生することがあります。 換気設備の点検では、換気扇やレンジフードの風量や作動、運転状態を検査します。

排煙設備

 火災時に発生する有毒な煙や熱を外へ排出し、避難経路を安全に確保するための設備をいいます。
 排煙設備には、機械排煙設備と自然排煙設備があります。
 ■機械排煙設備 防煙区画、排煙口の開閉、手動開放装置、排煙機の運転状況を検査します。
 ■自然排煙設備 防煙区画、排煙窓、手動開放装置を検査します。

非常用照明装置

 火災や地震などによって停電した場合、避難経路に必要な明るさを確保し、スムーズな避難ができるようにする照明装置です。 照度計により規定の明るさを測定し、非常用電源、性能などの検査も行ないます。

給排水設備

 日常生活に欠かせない水の供給や排水を確保するための設備をいいます。 公共水道を受水槽に受け、高置水槽や加圧ポンプから配管を通って各家庭に供給するのが一般的であります。 給排水設備や排水設備が正常にはたらき、不衛生な飲料水を供給しないよう、又そうした事故がないように、 給水設備機器・排水設備機器・配管などの状況を検査します。また塩素処理された水が、基準値以上であるか、測定器で検査します。


調査・検査の判断基準


要是正

 部品の交換や修理による是正が必要な状態であり、所有者に対して是正を促すもの。 報告を受けた特定行政庁は、所有者に速やかな是正の意志がないなどの場合、必要に応じて是正状況の報告聴取や是正命令を行うこととなります。

要重点点検

 次回の調査・検査までに「要是正」に至るおそれが高い状態です。 所有者などに対して日常の保守点検で重点的に点検と、要是正の状態に至った場合の速やかな対応を促すものです。

指摘なし

 要是正および要重点点検に該当しないものです。
 
※なお、要是正および要重点点検に該当しない場合であっても、特記事項として注意を促す場合もあります。


建築設備定期検査報告制度の見直し・・・平成20年4月1日から実施


検査報告書の様式変更

 需要項目以外は抽出検査から原則全数検査となった。

検査結果に新たに添付することになった書類

 別表1:換気設備…換気状況評価表
 別表2:調理室等の換気風量の測定…換気風量測定表
 別表3:排煙設備…排煙風量測定記録表
 別表4:非常用の照明装置…照度測定表



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